7. マクロ世界とミクロ世界との比較


それではマクロ世界とミクロ世界のどの要素がどの要素に符合し、対応しているのかを考えてみることにしよう。
先ずはマクロ世界。

現代科学で観測されている大宇宙の半径は約150億光年である。
宇宙を構成する基本単位は銀河だと言っても過言ではない。
この宇宙には1千億個以上の銀河が点在しており、隣接する別の銀河たちと銀河群を形成している。それらの銀河群が集まって更に大きな銀河団を作っている。
また銀河の中心には銀河核があり、銀河はその中心を軸にして回転し、銀河群を構成する銀河は銀河群の引力の中心を軸にして公転している。
銀河とは星の集団であり、我々の銀河もまた約3千億個の星で成り立つが、当然、太陽もその星の中の一つである。

次に、我々の内部のミクロ世界を覗いてみよう。私たちの身体を構成する基本単位は細胞である。人間の身体は約60兆個の細胞で構成されているが、細胞の大きさは半径約5ミクロン[5 x(10の-4乗)]から50ミクロン[5 x(10の-3乗cm)]の大きさで点在している。
細胞の基礎単位は原子であるが、人間の身体は約63%の水素、25.5%の酸素、9.4%の炭素、1.4%の窒素及び0.7%のその他の原子で構成されている。
原子がいくつか合わさって物質の特性を持つ最小単位である分子を構成し、分子が集まって蛋白質、核酸等の巨大分子を作り上げ、この巨大分子が集まって細胞内の形態学的物質であるリボゾーム 、ミトコンドリア、核、DNA等を作り上げている。
そして原子の中心には原子核があり、その周りを電子が回り、分子を構成する原子は相互震動と同時に、その引力の中心を軸にして周回している。
また原子は物質究極の最小単位ではなく、その内部には無数の素粒子が存在している。
以上のマクロ世界とミクロ世界の体系を簡単に整理すると、以下のようになる。

マクロ世界: 星(太陽)-(銀河核)-銀河-銀河群-銀河団
-宇宙-仏(ホトケ)
ミクロ世界: 素粒子-(原子核)-原子-分子-形態学的物質
-細胞-人

筆者は両極にある二つの世界について述べ、その構成要素を互いに比較、対応させ、上記のように整理した。そしてこのような対応要素を決定するにあたり、各段階の大きさの比率や同一要素相互間の間隔など、綿密に考察を加えてみた。
もしマクロ世界とミクロ世界がフラクタル構造となって繋がっているという宇宙観が正しいのであれば、対応する各要素の間には人とホトケの大きさの比率である約1 : (10の30乗)の比例法則が成り立つ筈である。そしてその宇宙観が誤っているとするなら、このような比例関係は成立し得ないのである。
各対応要素同士の大きさの比率を求めるためには、各要素の大きさのデータが不可欠であるが、幸い現代科学によってそれらの大きさは、ほぼ正確に測定されている。またその大きさが一定の範囲内に点在するものとしては、原子核と銀河核、原子と銀河、そして細胞と宇宙等が挙げられる。

原子の半径はオングストローム[=(10の-8乗cm)]で表示されており、原子核の半径は原子の半径の約10万分の1にあたる(10の-13乗)cmである。
細胞の半径は約5ミクロン[5x(10の-4乗)cm]から50ミクロン[5x(10の-3乗)cm]の大きさで点在している。

そして、銀河の半径は約1万光年から5万光年の大きさで点在しており、その平均的な半径は約3万光年である。
銀河の中心には銀河核があり、地球や太陽を含む我々の銀河系では、銀河核の半径は約0.33光年である。
そして1千億個以上の銀河で構成されている大宇宙はその半径が約150億光年だと推定されている。

以上、各比較要素の大きさを確認してみたが、我々はここで一つの問題に直面する。
それは前述した数値は全て大まかな数値であり、原子にせよ、銀河にせよ、一つの決まった大きさを持つものではないという事である。一定の大きさの範囲内に点在しているこうしたものを、一体どの大きさで比較するべきであるのかは、ちょっとした問題だと言えよう。

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