3. 観世音菩薩の身長を計算する


それでは最初に、観世音菩薩の身長である80万億“那由他-由旬(なゆた‐ゆじゅん)”が、どれ程の大きさに相当するのか、計算してみることにしよう。
まず“那由他(なゆた)”とは非常に多くの数を表わすインドの単位として、1千億または1万億を意味するものである。この表現が巨大なホトケの身長を表している点と“那由他”の前にすでに1万億という単位が使われている点を考え合わせると、ここで使われている“那由他”とは1万億、と考えるのが妥当と思われる。
次に“由旬(ゆじゅん)”とはインドの距離単位であり、私たちが使っている単位に換算すると、約30里または40里に相当する。(参考:韓国の単位では4kmを10里と表記)この単位も巨大なホトケの身長を現わすのに使われている。よってここで使われている“由旬”とは40里(=16km)を意味していると考えられる。

では、80万億“那由他-由旬”を現代的に表現すれば次のようになる。

80 x ㅡ万億 x ㅡ万億 x 16km
= 80x10,000x100,000,000x10,000x100,000,000x16km
= 1,280,000,000,000,000,000,000,000,00
= 1.28 x (10の27乗)km

これこそが正に無限の大きさだと言えよう。制限された世界に住んでいる我々には、想像しにくい規模の大きさであるので、この数値を一般的に知られている銀河の大きさや宇宙の大きさと比較してみることにする。

太陽系を含む我々の銀河系の半径は約5万光年であり、このような銀河が一千億個以上集まっている大宇宙の半径は、現在までの観測では約150億光年だと言われている。

光年とは光が1秒当たり30万kmで1年間進む距離を言うので、銀河系の半径である5万光年とは、
300,000km x 60(秒) x 60(分) x 24(時間) x 365(日) x 50,000(年)
= 4.7 x (10の17乗)km であり、

また大宇宙の半径である150億光年は、
300,000km x 60 x 60 x 24 x 365 x 15,000,000,000
= 1.4 x (10の23乗)km と表わされる。

従って観世音菩薩の身長は銀河系の半径の 2.7x(10の9乗)倍、即ち27億倍であり、大宇宙の半径の 9x(10の3乗)倍、即ち9千倍になるという、何とも想像を絶する大きさである。
銀河及び宇宙の半径は、現在の科学水準では大まかな数値しか解明されていないので、27億倍または、9千倍という数値が深い意味を持つ訳ではないが、これで私たちは仏教で言うホトケまたは宇宙の大きさがどれ程の規模であるのかということを想像することができる。
もし、ここで観世音菩薩と宇宙を同時に考えてみるならば、半径150億光年の我々の宇宙の隣に、それよりも9千倍も大きい巨大なホトケが並んで立っている姿を想像するよりは、巨大なホトケの内部に小さく位置している我々の宇宙を思い浮かべるほうが自然であろう。

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