5. フラクタル構造が持ち合わせている特性


ここで私たちが注目すべき点は、フラクタルの構造である。
最初の三角形の一辺に付いている比較的大きめの三角形をひとつ選び、よく見てみると、そこには小さな三角形が無限に付いた、無限に複雑な模様があることに気が付く。
今度はそこに付いている小さな三角形の中から、顕微鏡で見てやっと分かるレベルの小さな三角形ひとつを選択し、それを肉眼で確認出来るサイズにまで拡大させたとしよう。
すると、それは最初に選択した大きな三角形と全く同じ模様をしていることが分かる。
それでは、そこに付いているさらに小さな三角形のどれかひとつを選択して、それを拡大させたとしても、その模様はやはり最初の三角形と全く同じなのである。
つまり、どんなに小さな三角形を選んだとしても、最初の三角形が持つのと同様の複雑な模様をそのまま持ち合わせているというのがフラクタルの特性と言えるのだ。
更に別の例を挙げてみよう。ある想像上の木は幹が3つの分岐点で分かれていて、それぞれの幹がまた3つの分岐点で別れている。新たに分かれたそれぞれの幹は、さらにまた3つの分岐点で分かれていく。
このように3つの分岐点で永遠に分かれて行く“超樹木”では、どれだけ小さな幹ひとつとっても全体の木と全く同じ複雑性を持ち合わせているのである。]
<参照: アイザック・アシモフ(Isacc Asimov)著、「The Secret of the Universe」(邦題:宇宙の秘密)>

以上フラクタルの概念をざっと説明してみたが、ブッダの教えを支持するならば、宇宙はフラクタル構造を持っていると理解出来るのである。
即ち、我々の宇宙はホトケと表現された巨大な存在のきわめて小さな一部分であり、同時に私たちの身体の中にも無限の数の小宇宙が存在しているということなのである。

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