10. 原子の1回転と銀河の1回転との比較


時間に関するこの論理は空間を100分の1、1,000分の1、・・・・(10の30乗)分の1で縮小した場合にも全く同じように当てはまるだろう。
従って、マクロ世界とミクロ世界がフラクタル構造となって繋がっている、というブッダの宇宙観が正しいと仮定すると、両極の世界の間で時間の流れの比率は二つの世界の空間の大きさに反比例することになる。
即ち、我々の宇宙を取り囲んでいる巨大な存在の1秒は、我々には宇宙と細胞の大きさの比率と同じように長い時間となって現れる。同様の論理で私たちの1秒は、私たちの内部の微粒子世界に住んでいる極小の存在には、無限と思われるほど長い時間となって現れるであろう。

果たして時間に関する筆者のこのような主張は、現実に成立するだろうか?
この問題の真実に肉薄する為、筆者は銀河と原子の運動のさらなる考察を試みた。
まず、銀河の姿を写した写真を見ていただきたい。
それはまるでモーレツな勢いで渦巻く物体の停止画面を見ているようである。
実際、銀河はその中心に位置する軸の周囲を回転しており、銀河が1回転するのにかかる時間は約2億年だと言われている。
銀河が1回転するのには、とんでもなく長い時間を要するので、その動きを肉眼で観察することは不可能であり、天体のスペクトラム分析でやっと確認することができる。

マクロ世界とミクロ世界がフラクタル構造となって繋がっているブッダの宇宙観によると、マクロ世界の銀河はミクロ世界の原子に相当する。
従ってミクロ世界に住んでいる極小の存在には、原子が銀河として映り、原子の1回転の時間が2億年に匹敵する。
時間の流れは空間の大きさに反比例して長くなるという筆者の見解が正しいのだとしたら、原子が1回転する時間と銀河が1回転する時間の比率、そして原子と銀河の大きさの比率はぴたりと当てはまる筈である。
それでは、銀河の1回転の時間である2億年という数値と時間に関する筆者の見地から、原子の回転速度を計算してみることにしよう。

しかしここで、銀河の回転速度は銀河内の位置によって違いがあり、原子の回転速度も原子によって違うので、このような計算自体が成立し得ないと反論する者も出てくるだろう。
実際に我々の銀河系の回転速度は、我々の太陽系の位置では1回転に約2億年かかるが、銀河系の中心付近では2千万年程度しかかからず、太陽系よりも外回りであれば当然2億年以上かかるということになる。
そして原子の回転について考えてみても、原子ごとに回転振動数は違っており、一つの原子でも量子数により、異なって現われるというのが事実である。
しかし、今筆者が試みていることは大局的な見地から宇宙の大きさを追及することなので、ここで使用する数値の厳格さにこだわり過ぎる必要はないと考える。
前述した空間の問題と同様に、計算結果にプラスマイナス10倍の偏差が許されるならば、この課題の進行にも支障はないだろう。
銀河の回転時間を約2億年とするならば、銀河の位置や銀河の種類に関係なく、殆どが許容偏差内に入ってくる。原子の場合も私たちの身体を構成する原子の99.3%が水素、酸素、炭素及び窒素といった似たような単位レベルにあるので、それらの回転振動数に多少の違いがあったとしても大きな差があるという事にはならない。

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